
日本語が話せなくても大丈夫? 日本人が本当に思っていたこと
この記事でわかること:
- 605人の日本人が語った言葉の壁。そして、その壁が思ったより低い理由
- 「助けたいけど固まる」現象:日本人があなたを無視しているわけじゃない理由
- 英語が通じにくい地方のほうが、むしろ温かいのはなぜか
- 日本語をひとこと話してみたら、何が起きるか(先に言うと、全部変わります)
日本旅行に日本語は必要? 日本の人が書いた605件の声を集めてみると、答えは「なくても大丈夫」でした。訪日外国人の75%が、「スタッフと話が通じない」を困ったこととして挙げながらも、自国よりサービス品質が高いと評価しています。日本人の50.2%は困っている外国人に声をかけません。冷たいからではなく、その57%が自分の英語に自信がないからです。日本語を一言でも言うだけですべてが変わります。「ありがとう」だけで90%以上がポジティブに反応するんですよ。
訪日客のほぼ全員が、同じ不安を抱えています。もし誰にも通じなかったらどうしよう?
旅行ガイドには「行く前に基本的な日本語を覚えましょう」と書いてあります。Redditでは「日本語ゼロで日本を楽しめる?」という質問が溢れています。初めての人なら、こんな場面が頭に浮かぶはずです。券売機の前で立ち往生。周りは読めない漢字ばかり。
そこで、日本人が自分の言葉で書いていることを読みにいきました。知りたかったのは「旅行者は何をすべきか」ではなく、「外国人が日本語を話せないとき、本当にどう思うか」です。Q&Aサイト、掲示板、接客業の人、地方の旅館のご主人、調査データなど、12以上のプラットフォームから605件の声を集めました。言葉の壁の向こう側で本当は何が起きているのか、それを知るためです。
先に答えを言うと、大丈夫です。そしてその理由は、どんな会話帳よりも人間らしくて、おもしろいものでした。
クイックガイド
| 場面 | 日本人の声から | |
|---|---|---|
| 🟢 安心 | 日本語ゼロ、ジェスチャーのみ | 「なんとかなるよ。指差し、地図、翻訳アプリ。伝わるから。」日本語をまったく話せない旅行者を助けた経験のある日本人は、とても多いんです。 |
| 🟢 安心 | 翻訳アプリを使う | 「めっちゃ助かる。画面を見せてくれたら、こっちもなんとかする。」お店の人も近所の人も、たいていは大歓迎です。 |
| 🟡 知っておくと安心 | 大都市圏の外 | 英語の案内は減りますが、おもてなしの心はむしろ強くなることが多いんです。地方の人ほど、なんとか助けようとしてくれます。 |
| 🟢 安心 | 日本語を一言でも言ってみる | 「『ありがとう』って聞くだけで、空気が変わるんだよね。」下手でも関係ありません。話そうとするだけで、本当の温かさが返ってきます。続きを読む → |
| 🟡 知っておくと安心 | 横を通り過ぎた人 | 助けたいけど固まってしまうかもしれません。心配なのはあなたの日本語じゃなく、自分の英語力のほうなんです。 |
これだけ覚えておけば十分: 日本の言葉の壁は確かにあります。でも、壁を感じているのはあなただけではありません。日本人もあなたと同じくらい、自分の英語に不安を感じていることが多いんですよね。そのぎこちなさこそ、打ち解けるきっかけになります。
声の集め方
言葉やコミュニケーションに関する11のテーマで、605件の日本語回答を収集しました。これらの声は、公開されている日本語のQ&Aサイト・掲示板・SNSから集め、加えてマネーポストWEB、東洋経済オンライン、政府調査(IIBC、出入国在留管理庁、文科省)、各種ブログやメディアの報道も参照しています。
「日本語を話そうとしたとき」のセクションでは、姉妹記事日本語を話そうとしたとき:日本人が本当に思っていることのために収集した244件の追加回答も参照しています。
補足: これは公開プラットフォームで実際の日本人が自分の言葉で語った声を集めたものです。統計調査ではありません。多くの英語ガイドは「基本フレーズを覚えましょう」としか言いません。言葉が通じないとき、日本人の側で何が起きているのかをまとめました。
日本語がまったく話せないとき、何が起きるか
一番大きな不安から見ていきます。日本に着いたばかり。日本語は一言も出てこない。それでも助けがほしい。そんな場面です。
この場面について日本の人が書いた投稿を55件集めました。内訳はこうです:
約半数が「なんとかなる」と書いていました。よく挙がったのは、身振り、スマホの地図、翻訳アプリでした。
出来ないながらも教えます。もしくは携帯使って一緒にしらべます。最悪、時間に余裕があれば途中まで一緒に行きます。
勢いとジェスチャーで意外と通じる…ストレート!レフトに曲がる!ショップある!
観光客なので行きたい場所の本とか地図とか持ってる人が多いので、時間があって近場ならその場所まで案内します。
観光業界の調査には、もっとはっきりした数字があります。2018年の調査で、外国人旅行者の75%が日本のレストランのサービスを自国より高く評価しています。「スタッフと英語で意思疎通できない」を困った点の上位に挙げているにもかかわらず、です。言葉の壁はあります。でも、それを気持ちで埋めてくれる人がいます。
言葉が通じなくとも心からゲストをもてなそうというホスピタリティーがあることこそが重要。
ただ、正直に伝えるべきこともあります。27%は「正直きびしい」という声で、その気持ちは本物です。特に一日に何度も言葉の壁に直面する接客スタッフにとっては、なおさらです。違いを生むのは、努力です。
翻訳アプリ出してくれる人は謙虚なので親切にしちゃう。
だからこんにちは、すみません、たすけてください、ぐらいは覚えてこいって意味だよ。
💡 すべてを物語る数字
2018年の調査では、旅行者の75%が「日本のサービスは自国より上」と回答。「スタッフと意思疎通できない」が困った点の第1位なのに、です。完璧な語学力がなくても、いい旅はできます。大事なのは、言葉が通じなくてもなんとかしようとしてくれる人がいること。日本にはそれがあります。
見て見ぬふりじゃない:通り過ぎた人の本音
旅行ガイドにはあまり書かれていない話があります。券売機の前で困っているとき、横を通り過ぎていった人がいたかもしれません。実は、助けたかった可能性がかなり高いんです。
IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が2019年に500人のビジネスパーソンを調査したところ、印象的な数字が出ました:
50.2%が「困っている外国人に声をかけない」という結果でした。
理由の第1位は、「関心がない」ではありませんでした。
「英語力に自信がない」:57.0%
英語が「好き」と答えた人の中でさえ、18~36%が困っている外国人には声をかけないと言っています。自分の英語で恥をかくのが怖いからなんです。
「固まってしまった」という話は、読んでいて胸が痛くなります:
駅で外国人がめっちゃ困ってるの見えたんだけど、英語でなんて言えばいいかわからなくて…結局素通りしちゃった。あとからすごい後悔した。
遅れてるだけ、待ってれば来るよ…て英語がひとつも思い浮かばなくて申し訳なくなった。
外国人観光客に英語で道を聞かれたときに全く答えられなくてへこみました。高校生です。英語はテストでも模試でもいい点数を取れるのに。
でも、うまくいったエピソードは素晴らしいんです:
私は、そのような場合、積極的に声をかけます。せっかく日本に来てくれたのだから、辛い思い出より日本人の親切さ・良さを思い出にして行ってほしいという気持ちからです。
30分くらい歩いてて…結果楽しかったw
めっちゃ笑顔でありがとうって言ってくれた!
💡 ここだけは覚えておいてください
誰かがあなたの横を素通りしても、それは冷たさじゃなく、英語への不安なんです。困っている外国人に声をかけない日本人の57%が、自分の英語力を理由に挙げています。 助けたい気持ちはある。ただ、どう話しかけたらいいかわからないだけ。目を合わせて「すみません」と言うだけで、相手は声をかけやすくなります。
翻訳アプリという強い味方
この記事で実用的なアドバイスをひとつだけ挙げるとしたら、これです。日本に着く前に翻訳アプリをダウンロードしてください。 日本人は翻訳アプリを歓迎しています。
外国人のお客さんがスマホの翻訳画面を見せてきて「これください」って。最初びっくりしたけど、めっちゃ助かる。むしろこっちも翻訳アプリで返してる笑
通じればツールはなんでも構いません。
一生懸命やっているのだから、失礼なんて事はない。
あるライターが浅草で約50人の外国人とGoogle翻訳を試したところ、「言葉の壁は消えつつある」と結論づけました。みんなが同じ言葉を話すようになったからではなく、道具がそこまで進化したからです。
高級店では翻訳アプリが少しそっけなく感じられることがある、忙しい接客中はテンポが遅くなる、という声も一部ありました。でも、ほとんどの人が同じことを言います。スマホを出して笑顔で画面を見せれば、一番大事なこと、つまり「私は努力しています」ということは、すでに伝わっているんです。
でも、日本語を話そうとしたらどうなるの?
ここまでは日本語ゼロの場合の話。ほんの少しでも日本語を話そうとしたら何が起きるか。244件の追加回答から見てみましょう。
「ありがとう」と言う: 90%以上の回答がポジティブでした。日本語でたった一言の感謝を伝えるだけで、やり取りの温度感がまるで変わるんです。
他の日本語を知らなくても、感謝の気持ちだけは日本語で伝えられたら嬉しい。その国の言葉で「ありがとう」と言うと、相手との距離が一気に縮まるはず。
完璧じゃない発音: 約67%が「恥ずかしい」ではなく「微笑ましい」と感じています。
産まれたての子馬が一生懸命立ち上がるようなイメージ。外国人が日本語を頑張って話す姿にはそういう健気さがある。
「すみません」を使う: この一語は、あいさつにも、謝罪にも、お礼にも使えます。万能の合い言葉です。
外国人が「すみません」と挟んだ後にお願いをすると、日本人はついつい助けてしまう。この一言が入るだけで安心感が生まれる。
これは奥が深いテーマなので、日本語を話そうとしたとき:日本人が本当に思っていることという記事で詳しくまとめています。各フレーズごとの温度計と244件の個別回答付きです。短くまとめると、上手かどうかより、やってみるかどうかです。
東京の外ではどうなの?
旅行ガイドにはよく「東京では英語が通じるけど、地方は無理」と書いてあります。英語については確かにそのとおり。でも、ガイドはもっと大事なことに触れていません。
地方からの回答の60%がポジティブ。この記事のどのセクションよりも高い数値です。英語は通じにくい。でも、気持ちはよく通じる。
うちの温泉宿に英語全然ダメなおばあちゃんがフロントに立ってるんだけど、外国人のお客さんとジェスチャーで盛り上がってた。帰り際にハグされてたし、言葉より気持ちなんだなって。
やさしい日本語で話しかければ、コミュニケーションの最初の一歩をスムーズに踏み出すことができる。 (大分県 旅館主人)
海外に行って助けられたことあるから日本でも同じように助けてるよ〜。
「やさしい日本語」の動きが地方に広がっています。多くの訪日客にとって、たどたどしい英語よりも、シンプルでゆっくりな日本語+ジェスチャーのほうが通じるという考え方です。高山や大分の宿の人たちは、英語よりも気持ちと辛抱のほうが通じると知っています。これは日本での移動手段の記事でも触れていますが、案内が日本語だけでも、誰かが必ず道を教えてくれます。
観光庁の2023年度調査では、訪日客の22.5%が「スタッフと意思疎通できない」ことを困った点に挙げています。ただしこれは、メニューが複雑な飲食店や、乗り換えのある駅などに集中しています。日常のやり取り(コンビニ、ホテル、観光スポット)では、ジェスチャーと地図と善意の組み合わせで、ちゃんとうまくいっているんです。
💡 地方のパラドックス
英語が少ない=悪い体験、ではありません。地方の回答はこの記事全体で最も高いポジティブ率(60%)を記録しました。英語という頼みの綱がないぶん、人と人との距離が近くなります。辛抱強さと身振り、そして、うまく伝わらなかったことが何年も語り草になるような、あのもてなしです。
「迷惑になってないかな?」
この記事を読んでいる人にとって、一番気になる質問かもしれません。「迷惑をかけていないかな」、つまり他の人に不便をかけていないかと気にしている人は多いはずです。
そこで、この問いについて日本の人が書いた声を集めました。「日本語でコミュニケーションが取れない外国人は迷惑ですか?」
もっとも意見が割れたセクションです。そしてこの正直さが大事なんですよね。両方の声を聞いてみましょう。
「迷惑じゃない」の声:
ラーメン屋で外国人が指差しで注文してきたんだけど、全然迷惑じゃない。むしろ「来てくれてありがとう」って思う。慣れない国で一人でラーメン屋入る勇気すごいよ。
でもこんなに外国人観光客が来てるのに頑なに日本語でしか接客しないのもなんか…日本は親切な国じゃないの?
「正直きびしい」の声:
精神的な疲労度がエグい。 (ダイニングバー スタッフ、20代)
接客中なので翻訳アプリをいちいち使うわけにもいかず。
手のひらを挙げてため息をつかれたり、「用なし」と言わんばかりに手をひらひら振って軽くあしらわれたり。
最後の引用に、本当の問題が見えてきます。「迷惑」の感覚は言葉の問題ではなく、態度の問題なんです。「場合による」という29%は、ほぼ全員が同じことを言っています:その人が努力しているかどうかで変わる。
スマホを出して、メニューを指差して、笑顔で「すみません」。これを迷惑だと思う人はいません。大声で母国語をまくしたて、通じないとイライラして、店員を見下すような人。フラストレーションの原因はそこにあるんですよね。
💡 分かれ目は態度
「迷惑じゃない」と「困る」の境界線は、語学力とほぼ関係ありません。すべては努力にかかっています。笑顔で、「すみません」と言って、翻訳アプリを出して、お辞儀をする。それだけで、日本人のほうから歩み寄ってくれます。
世代間のギャップ
もうひとつ、年齢による違いがあります。
出入国在留管理庁の2023年の全国調査によると、18~19歳の半数以上が外国人の増加をポジティブに捉えていて、好意的な見方は40代前半まで30%以上を維持しています。一方、同庁の調査では60歳以上の40~70%が「外国人の知り合いがいない、いたこともない」と回答しました。
英語力については状況が複雑です。2023年の民間の調査では、10代の46%が「英語がある程度話せる」と回答(全年齢層で最高)している一方、日本全体の英語力は低下傾向です。EF英語能力指数によると2011年の世界14位から2025年には過去最低の96位まで下がっています。
旅行者にとって実際に役立つのは次の点です。若い人ほど声をかけてくれますし、英語を試そうとする意欲もあり、異文化交流にもリラックスして臨めます。若いスタッフのいる観光エリアでは、コミュニケーションが比較的スムーズになるでしょう。年配の人が迎えてくれる昔ながらのお店や宿では、身振りと辛抱と翻訳アプリが頼りになります。でも前のセクションで見たように、そういう場所のほうが温かさはむしろ大きいことが多いんですよね。
今日からできる3つのこと
605人の日本人が書いた声を踏まえて:
翻訳アプリをダウンロードする(Google翻訳、DeepL、またはVoiceTra)。これが最も効果的なツールです。日本人は積極的に歓迎してくれますよ。
3つの言葉を覚える:「すみません」「ありがとう」「こんにちは」 日本を訪れるのに日本語は必要ありません。でもこの3語だけで、日本人の反応がガラッと変わります。期待されているからではなく、気持ちが伝わるからです。
黙って通り過ぎても、冷たいわけではありません。 誰かが助けずに通り過ぎても、2019年のIIBCの調査を思い出してください:外国人に声をかけない日本人の57%が、自分の英語力への不安を理由に挙げています。目を合わせて「すみません」と言えば、相手の表情が変わるのが見えることが多いはずですよ。
そしてもうひとつ。この記事を読んでいるということ、「迷惑になってないかな?」と気にかけているということ、それだけで、日本人が一番うれしいお客さんです。言葉の壁はあります。でもそれは、あなたが心配しているほど大きくはありませんよ。日本は何十年もの間、日本語を話さない訪問者を迎え続けてきました。完璧ではないけれど、温かく迎えてきました。
日本語を話そうとしたとき、何が起きるか知りたいですか? こちらの記事で詳しくまとめています:
日本での言葉の壁について、あなた自身の体験はありますか? ぜひ聞かせてください。コミュニケーションに挑戦した旅行者の方も、助けたかった日本人の方も、大歓迎です。みなさんの体験が集まるほど、見えてくるものがあります。
情報源
調査データ
IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会): 「英語学習に関する意識調査」(2019年)。ビジネスパーソン500人(20代〜50代)対象。50.2%が困っている外国人に声をかけない、57.0%が英語力を理由に挙げた。
フォーイット株式会社 調査(2023年): 日本人の英語力:34.8%がある程度話せる、10代は46.0%(全年齢層で最高)。
EF英語能力指数(2025年): 日本は123か国中96位、過去最低(2011年の14位から低下)。
出入国在留管理庁 / 日経調査(2023年): 外国人に対する世代別意識。18-19歳の50%以上がポジティブ、60歳以上の40-70%は外国人の知り合いなし。
観光庁、訪日外国人旅行者満足度調査(2023年度): 22.5%が「スタッフとの意思疎通」を困った点に挙げた。
訪日ラボ、外国人旅行者のレストラン満足度(2018年): 75%が日本のレストランサービスを自国より高く評価。
オンラインの声
公開されている日本語のQ&Aサイト・掲示板・SNS:言葉・コミュニケーション・外国人旅行者への手助けに関する当事者の声
マネーポストWEB:接客業者インタビュー、外国人旅行者とのコミュニケーション
東洋経済オンライン:インバウンド観光における「やさしい日本語」アプローチ
Prebell / So-net:浅草で50人の観光客とGoogle翻訳実験
引用について
オンラインプラットフォームからの引用は、読みやすさのために軽微な編集(誤字修正、体裁の調整)を行っています。各コメントの内容そのものには手を加えていません。原文ソースは上記リンクからご確認いただけます。
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