
原宿は行く価値がある? 竹下通りだけで終えるか、まわりまで歩くかで答えが変わります
旅行の掲示板で、竹下通りは昔から同じように言われてきました。Redditには「竹下通りは何十年も前から、混みすぎた安っぽい観光客目当ての通りだ」と書いた人がいます。日本のストリートファッションが生まれた伝説の場所を思い描いて行ってみると、そこにあるのは長さ350mほどの細い通りで、十代の若者とクレープの店と安い服でぎっしり埋まっています。少しがっかりして帰る人もいます。前の日に原宿へ行ったという人は、そのとき「ここは自分にとっての地獄だ」と思ったと書いていました。「原宿は日本でいちばん過大評価されている場所かもしれない」という書き込みもあります。ただ、これを書いた人はあとから、言いたかったのは竹下通りのことで、そのまわりの地区はなかなか良い、と書き足しています。
集めた声を読むと、がっかりの大きな部分は、竹下通りという一本の通りを原宿のすべてだと受け取ったところから来ています。竹下通りは原宿のなかでいちばん有名でにぎやかな、ほんの小さな一角です。もともと十代に向けてつくられた、十代のための買い物の通りでもあります。原宿を好きだという人が歩いているのは、そこから一本入ったところです。キャットストリートの古着屋、裏原宿の落ち着いた裏通り、表参道の並木の大通りがそれにあたります。がっかりした海外の声のおよそ半分は、竹下通りとその人混みの話でした。行ってよかったと書いた声でいちばん多いのは一本隣の通りまで歩いた人の話で、混んだ通りが誰のための場所かをわかったうえで楽しんだ人もいます。
行く価値はある?(訪れた人自身の言葉で)
まずは、原宿の買い物の通りを実際に歩いた海外の旅行者の声です。それぞれが自分で書いた投稿を、1件につき1票として数えました。分かれ方は次のとおりです。
赤のバーの36%は、実際にがっかりした人たちの声です。中身を見ると、36件のうち18件は竹下通りという一本の通りとその人混みの話でした。残りの多くは、昔の原宿の空気がなくなってしまったという声で、これはこの記事の最後でもう一度取り上げます。人混みについては、「今はもう文字どおりの罠だ。入ることはできても、混みすぎていて出られない。出口か脇道に押し出されるまで、人の流れに乗っていくしかない」という書き込みがあります。がっかりした声で賛同がとくに多かったのは、「原宿はもう古い。今なら代官山と下北沢だ」という短いコメントでした。
いちばん長いのは、46%の真ん中のバーです。99件のうち45件は、すごいともひどいとも言っていません。書かれているのは、見る場所を間違えているという指摘です。45件のうち23件は、原宿のなかのほかの場所を挙げています。キャットストリート、裏通り、表参道、ラフォーレ原宿などです。集めた声のなかでいちばん多くの賛同を集めたのも、そうしたコメントで、「尖ったファッションや小さなクリエイターにとって、原宿は今でも十分に意味のある場所だ(原宿全体の話で、観光客目当てで悪名高い竹下通りのことではない)」という内容でした。もっとはっきり書いた人もいます。「竹下通りには行かないで。ひどいし、混みすぎている」と書いたその人は、安物の店や店先の客引きのことに触れたあとで、「クレープが食べたいなら、ほんの数メートル先の脇道に、行列なしで買える店がほかにある」と続けていました。日本に住んでいるというRedditの投稿者は、こう書いています。「とくに竹下通りは、若い人向けの安いファストファッションがほとんど。もっとクリエイティブなものを探しているなら、私ならキャットストリートに行くか、裏原宿の路地を歩き回る。かっこいい個人店があるのはそっちだから」
緑のバーは18%と小さめです。それでも中を見ると、いちばん多いのは一本隣の通りまで歩いたら良かったという話でした。「今でも行くのは好き。少なくとも2、3時間は行く価値がある。キャットストリートは飛ばさないで」という声がその代表です。別の人は「私ならそこから歩き始めて、表参道を通って原宿のキャットストリートまで下り、そのあたりの脇道を探検する」と道順を書き、「大通りを避ければ、すごくかわいい散歩道になるよ!」と添えています。原宿が大好きな人と、原宿の人混みに閉じこめられたと感じた人は、同じ街の、違う通りを歩いていたわけです。
日本人の口コミは竹下通りをどう書いているのか
同じ竹下通りについて、日本人の旅行者や地元の人が、日本の旅行口コミサイトのじゃらんとフォートラベルに書いた口コミも集めました。分かれ方はこうです。
2本の赤のバーを並べると、海外の声では3分の1を超える36%、日本人の口コミではおよそ8件に1件の13%です。人混みのことは、日本人の口コミにもはっきり出てきます。「竹下通りに入ってしばらく行くと突然流れが止まってしまって身動き出来ない。」と書いた人は、「まだ正月の初詣の方が流れている。」とまで続けていました。混み方は同じでも、受け止め方が違います。差を生んでいるのは人混みそのものより、それぞれがこの通りに何を期待していたかです。
日本人の緑のバーは41%で、口コミのおよそ5件に2件にあたります。楽しかった中身が、どれも具体的です。「いつも賑やかな雰囲気で東京に遊びに来たって感じでテンション上がります。」という口コミもあれば、「気持ちが落ち込んでいる時も、行くと元気がもらえる感じがします。」という口コミもあります。娘さんについて行った人の口コミには、ちょっとした驚きがにじんでいました。「娘について原宿に行きました。40歳過ぎの私でも、着れそうな服、履けそうな靴、可愛い雑貨などが思っていたよりもたくさんありました。また行きたいです!」伝説の場所かどうかを採点するのでなく、明るくて安くて若い通りを、そういう通りとしてそのまま楽しんでいる声です。
日本人の赤のバーは13%、12件です。8件は人混みそのものの話で、そのうち4件(全体の3分の1)は、ここは自分たちの年代や家族向けの通りではないと書いています。残りの4件は、昔と変わったこと、一軒の店の接客、客引きの話でした。期待を裏切られたという書き方は、ほとんど見当たりません。30過ぎの家族連れだという人の口コミは、たとえばこうです。「虹色のソフトクリーム、わたあめとカラフルで中高生、外国人ウケはいいと思いますが、30過ぎの家族づれの私たちはあの人混みを見たらもう二度と近寄りたくありません。」だまされたという書き方が見当たらないのは、書いた人たちが、自分がどの通りを見ているのかをわかっているからでしょう。
がっかりの理由はどこにあるのか
集めた声のなかに、同じことを言っているのに、意味が正反対になっている2つの文があります。
ひとつは、がっかりした旅行者の文です。冒頭で「原宿は日本でいちばん過大評価されている場所かもしれない」と書いた人は、「十代半ばの女の子でもないかぎり、どこに魅力を感じるのか私にはわからない」とも書いていました。
もうひとつは、じゃらんに書かれた日本人の口コミです。「でも中高生たちはだいたいみんなここに行きますね。大学生になると、何故かみんな浅草の仲見世通りに行っています。」
どちらも、ここは十代の通りだという同じことを見ています。旅行者はそれをがっかりとして受け取りました。思い描いていたのは伝説の原宿、ファッション好きなら誰もが憧れるサブカルチャーの中心地だったからです。日本人の口コミでは、それはごく当たり前のこととして書かれています。竹下通りは十代の買い物の通りで、15歳のころに夢中になり、大人になると自然に足が遠のく場所です。竹下通りは、はじめから原宿のすべてだったわけではありません。この通りと一緒に育った人たちは、どの通りがどんな場所かを知っています。
原宿は、言ってみれば2つあります。ひとつは竹下通りです。長さ350mの通りに十代向けの服や安いアクセサリー、クレープの店が並び、15歳ならわくわくする場所で、土曜日はとても混みます。もうひとつは、そのまわりに広がる原宿です。日本政府観光局(JNTO)は、原宿のおもな買い物エリアとして竹下通り、裏原宿、キャットストリートの3つを挙げています。裏原宿は裏通りに個人店が集まる地区で、キャットストリートは大人っぽく落ち着いた通りです。その3つの少し先には、デザイナーズブランドの店が並ぶ表参道の並木道があります。最初の一本だけで原宿を判断すると、がっかりした声と同じ感想になります。ほかの通りへ一本入ってみれば、原宿を勧める声のほうに近づくはずです。
原宿でどこを歩けばいいか
原宿の見どころは、通りと通りのあいだを歩くことにあります。集めた声を見ても、大通りから外れて歩いた人のほうが、竹下通りにとどまった人より原宿を気に入っています。竹下通りの入口のアーチからクレープ、キャットストリート、表参道までの道順は、原宿を歩くガイドにまとめました。ここでは、午後の散歩で寄りたい4つの場所を紹介します。
キャットストリートは、東京の公式観光サイトGO TOKYOが「竹下通りの大人版」と紹介している通りです。原宿と渋谷のあいだにあり、古着屋や小さなブティックが並んでいて、竹下通りよりゆったり歩けます。海外の声がいちばん多く名前を挙げた場所でもあり、99件のうち12件に出てきます。竹下通りからは歩いてすぐです。
大通りから外れた裏原宿の裏通りには、原宿のファッションの名を支えてきた小さな個人店が今も残っています。先ほどの日本に住む人も「かっこいい個人店があるのはそっちだから」と書いていました。地図は持たなくてかまいません。ぶらぶら歩くこと自体が目的です。
表参道は広い並木の大通りで、JNTOによると、もとは明治神宮の正面の参道でした。GO TOKYOは「東京版シャンゼリゼ」と呼んでいて、大手ファッションブランドの旗艦店が並んでいます。JNTOのたとえでは、原宿がかっこいい十代なら、表参道はもっと大人びて洗練された年上のきょうだいです。GO TOKYOによると、原宿駅から歩いて約10分です。
最後は竹下通りそのものです。週末の午後を避けて平日の朝に行けば、この通りも楽しく歩けます。クレープを食べるなら、日本のクレープ店の草分けで、1977年に竹下通りに店を開いたマリオンクレープがあります。「いちばん賑やかなときの竹下通りを歩くのは、それはそれでひとつの体験だ」というRedditのコメントもあります。竹下通りは入口にして、原宿のほかの場所は一本隣の通りで楽しんでください。
竹下通りを気持ちよく楽しむための心得
いちばん混む時間でも竹下通りを歩けるのは、何千人もの人が同じときに、それぞれ小さな気づかいをしているからです。旅行で訪れた人も、その一人になれます。どうすればいいかは、海外の声と日本人の口コミを読むとよくわかります。
行くなら平日の、お店が開くころからの午前中がおすすめです。じゃらんには「土日だとたくさんの人が訪れるため、歩きにくい。」という口コミがあり、平日の午前中に行った人は、同じ通りでもお店をゆっくり見て回れて気持ちよかったと書いています。
人混みがつらくなったら、一本隣の通りに逃げてしまいましょう。竹下通りに閉じこめられることはありません。脇道に入れば裏原宿やキャットストリートに出られて、そちらは落ち着いていて、ゆったり歩けます。
人の多いところでは、左側を、一方向に歩きます。竹下通りの商店会が、混雑を防ぐために日本語と英語でお願いしていることです。このお願いに沿って考えると、写真のためでもほかの用事でも、流れの真ん中で立ち止まれば流れに逆らうことになります。写真は通りの端に寄って撮るか、歩きながら撮ると無理がありません。
クレープは、歩きながら食べるための食べ物です。通りがぎっしり混んでいるときは、持ったまま人混みを抜けるより、お店の近くで食べてしまうほうが楽です。歩きながら食べることのマナーは、多くの旅行者が心配しているよりずっとゆるやかで、くわしくは食べ歩きは失礼なのかにまとめています。竹下通りはとくに気楽な場所で、JNTOもクレープを手に通りを歩くことを勧めています。
最後に、この通りに何を期待するかを先に決めておくと、気が楽になります。竹下通りは十代のための通りで、明るくてにぎやかで値段も安く、そういう通りとしてはよくできています。Redditには、半分冗談で「結婚していてもおかしくない年齢なら、原宿はたぶん向いていない」と書いた人もいました。大人の原宿は一本先にあります。どの通りがどんな場所かを知っていれば、それで十分です。
十代のクレープ通りが、どうしてこれほど有名になったのか
竹下通りは長さ350mの通りで、日本の若者の街としてよく知られた地区の入口にあたります。50年近く前から、十代の若者が大胆で遊び心のあるファッションを求めてやって来ています。クレープの店は1977年からあり、かわいい垂れ幕や安い服、プリクラまで、どれも若い人に向けたものです。
原宿を有名にした創造性、つまり奇抜なストリートファッションや、旅行者が見に来たサブカルチャーは、なくなったというより、あちこちへ散っていきました。GO TOKYOにも、原宿の奇抜なファッションがいちばん盛り上がっていた時代はもう過ぎたのかもしれない、という一文があります。Redditのある投稿者は「かつて原宿をトレンドの街にした人たちは、今はもう原宿と何の関係もない」と書き、その人たちは観光客の人混みに押し出されたのだと続けていました。変化を惜しむ日本人の口コミもいくつかあります。そのひとつによると、数年前までは夜になっても近くの専門学校の学生たちが店の前で話し込んでいる、おしゃれな通りでした。それが最近は、うるさくて残念な場所になってしまったそうです。原宿らしいファッションの現場は、裏通りやキャットストリート、絵はがきには載らないたくさんの小さな店へ移っていきました。有名な通りは今も有名なままで、面白いところは一本先にあります。この記事で勧めている散歩は、そこを歩くためのものです。
「行く価値がある」が、土曜日の竹下通りのど真ん中に立って伝説の原宿を味わうことを指すなら、掲示板の注意どおりになりそうです。ここに集めた海外の声も、3分の1以上(36%)が同じ感想でした。平日に行ってクレープを食べ、それから一本隣のキャットストリートや裏通り、表参道へ歩くなら、原宿を好きだという人たちがしてきたことと同じです。原宿は混んだ一本の通りのまわりに広がる街で、いちばん良いところは人混みから一本離れた通りにあります。
短い日程で、どこを優先するか迷っていたら、まずは日本で本当に大切なことから。竹下通りのアーチからクレープ、キャットストリート、並木の表参道までを通して歩くなら、このページのすぐ下にある原宿の音声ガイドをどうぞ。
出典
- GO TOKYO(東京観光財団による東京の公式観光サイト):原宿:英語。2025年12月19日更新、2026年10月10日確認。原宿を「カワイイ文化の発祥地のひとつ」「自由なファッションの街」と紹介。キャットストリートは渋谷と原宿のあいだにある「竹下通りの大人版」。原宿駅から青山・表参道まで徒歩約10分。原宿の奇抜なファッションの全盛期はもう過ぎたのかもしれないという記述。
- GO TOKYO:竹下通り:英語。2025年12月25日更新。JR原宿駅の竹下口の向かいから始まる長さ350mの通り。クレープや綿あめ、プリクラ。東京の流行に敏感な若者向けの通り。
- GO TOKYO:青山・表参道:英語。2025年12月19日更新。大手ファッションブランドの旗艦店が並ぶ表参道の並木道。「東京版シャンゼリゼ」。原宿駅から徒歩約10分。
- JNTO(日本政府観光局):原宿:英語。原宿のおもな買い物エリアは竹下通り、裏原宿、キャットストリートの3つ。クレープを食べながら通りを歩くこと。キャットストリートは比較的落ち着いていて歩きやすいこと。
- JNTO:原宿・表参道:英語。表参道は明治神宮(1920年創建)の正面の参道。「原宿がかっこいい十代なら、表参道はもっと大人びて洗練された年上のきょうだい」というたとえ。
- niponica(外務省発行のWebマガジン)第21号(2017年):クレープ:英語。日本のクレープ店の草分けであるマリオンクレープが、1977年に竹下通りで最初の店を開いたこと。
- 原宿竹下通り商店会:商店会について:日本語(お願いは英語でも掲載)。竹下通りはとても混み合うので、混雑を防ぐために左側通行で一方向に歩いてほしいという日本語と英語のお願い。1970年代半ばから若者の通りになり、1977年に商店会が発足した歩み。
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