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Stone steps climbing through a cedar forest at the start of the Yamadera pilgrimage route, with early autumn color in the leaves
日本の仕組み著者 Kei · 日本生まれ、日本育ち11 分で読める

山寺は行く価値がある? 1,015段の石段を登る理由

山形の山寺(宝珠山立石寺)は、杉木立に覆われた山の斜面に、1,015段の石段が続くお寺です。ケーブルカーのような乗り物もほかの道もなく、上のお堂へは自分の足で登り、同じ石段を歩いて下りてきます。調べ始めると写真より先にこの段数が目に入るので、短い日本の旅の1日をここに使うかどうかで迷う人がいます。そのまま予定から外してしまう人もいます。

ただ、実際に登った旅行者の口コミを読むと、その迷いは登り終えたころにはおおかた消えています。どのくらいの人がそう感じたかは、次の温度計で数字にしました。ここからは、来てよかったと感じた理由を本人が書いた言葉で紹介し、同じ石段を登った日本人の口コミも見ていきます。日本人が挙げる理由は、海外の旅行者とは少し違っています。

海外の旅行者は、登ってよかったと感じたのか

山寺を登った海外の旅行者が、Redditやトリップアドバイザーに書いた声を58件集めました。1件の声は1件として数え、行ってよかったかどうかで分けると、次のようになります。

1,000段を超えても登る価値あり(眺め、山上のお堂、登る道のり)
76%
条件しだいで価値あり(凍結や暑さ、雪などの季節と天気、混雑、改修工事)
15%
がっかり(雨や期待とのずれで、石段が理由ではない)
9%
声の出どころ:山寺を実際に訪れ、Redditやトリップアドバイザーに感想を書いた海外の旅行者です。58件の声を、1件ずつ同じ重さで数えて集計しました。アンケート調査ではなく、実際の口コミを集めたものです。その多くは、行くと決めて訪れた人のレビューなので、好意的な見方がどうしても多めに出ます。

赤のバーに入ったのは、58件中5件です。トリップアドバイザーにレビューを書いたある旅行者は、夜のライトアップがあると聞いて出かけましたが、閉門後に明かりがついていたのは山の上の建物三つほどでした。「ライトアップは思っていたものと違った」、「京都で見られるものと比べると、かなりの期待外れ」というのがその人の感想です。同じくトリップアドバイザーで、別の旅行者は「ネットの口コミで期待しすぎていたのか、訪れた日の混雑のせいかもしれないが、山寺には拍子抜けしてしまった」と振り返っています。

3件目は、登らずに訪れる価値はあるかというトリップアドバイザーの掲示板の質問への返事です。答えた人は「残念ながら、麓のまわりにはあまり見るものがない」、「それなら松島に行ったほうがいい」と書いています。残る2件は、Redditに書き込んだ同じ旅行者のもので、どちらも雨に降られた日の話でした。5件のどれにも、石段のせいだという話は出てきません。がっかりした理由は、雨か、登らずに麓だけを見る場合の物足りなさか、着く前に思い描いていた姿とのずれのどれかです。

緑のバーの声を読むと、お寺や眺めをほめる言葉のほかに、こんな話が出てきます。Redditには、「『お寺はもう十分、パスしよう』と言いかけていたけれど、来て本当によかった」という書き込みがあります。トリップアドバイザーのあるレビューは、「確かに、お寺の建物が集まる場所までは1,000段以上の石段がある。でも、登ること自体に十分その価値がある」と書き、「大切なのは目的地ではなく、そこまでの道のりだ」と続けています。好意的な口コミのなかには、歩くこと自体を楽しんだと書くものもいくつかあります。

ミュンヘンから来た人は「エスカレーターはどこ?」と冗談を書きながら石段を登り、このあたりに来たらぜひ訪れたい場所だとしています。数字から想像していたより楽に登れたという声も何件かあり、それも来てよかったと感じた理由の一つになっています。

日本人の旅行者は、同じ石段をどう感じたのか

日本人の旅行者が、旅の計画を立てるときに使う口コミサイト(じゃらん、4travel、Yahoo!マップ)に書いた口コミも集めました。分けてみると、次のとおりです。

登ってよかった(登りきった後の眺め、達成感)
92%
良い点も残念な点も(雨や雪で眺めが見えない、混雑、遅い到着や雨で登らず)
7%
がっかり(ただし登ることが理由ではない)
1%
声の出どころ:山寺を訪れた日本人の旅行者が、じゃらん、4travel、Yahoo!マップの3つの口コミサイトに書いた声です。146件を、1件ずつ同じ重さで数えて集計しました。アンケート調査ではなく、実際の口コミを集めたものです。行くと決めて訪れた人のレビューなので、好意的な見方がどうしても多めに出ます。

2本の温度計を並べてみます。海外の旅行者では58件中5件(9%)ががっかりしていましたが、日本人の口コミでは146件中1件(1%)だけで、その1件も石段の話ではありませんでした。日本人の口コミには、前から行きたかったと書く人、芭蕉の句に触れる人、訪れる前に思っていたとおりの山寺だったと書く人がいます。1,015段を登ったあとの評価にいちばん迷いがないのは、来る前から評判でこの山を知っていた人たちだと読めます。

日本人の口コミには、登っている時間そのものを書いたものもあります。じゃらんには「静寂を感じ、蝉の鳴き声を聞きながらゆっくり上って、煩悩を振り払いました。」という一文がありました。煩悩は、心を曇らせる欲や苛立ちを指す仏教の言葉です。4travelに口コミを書いた40歳前後の人は、坂の勾配をざっと計算してみたうえで、「一番上まで登る労力分の眺めの価値はあります。」とまとめています。

同じ4travelには、76歳のお母さんが行きたがっていたので、仙台空港からレンタカーで連れて行ったという口コミもあり、「体力があるうちに是非訪れてほしいです。」と結ばれています。じゃらんに書いた70歳の人は、前に登ったのは5年前でした。70歳になった今も自分の足で上まで行けるかを確かめに来て、無事に登りきりました。眺めもすばらしく、これからは足腰と体力の目安として、夏の蝉、秋の紅葉、雪の冬にも登ることにしたそうです。

眺めを苦労へのごほうびとして書く人もいれば、達成感や、煩悩を振り払うこと、自分の体を試すことを挙げて、登ること自体を目当ての一部にしている人もいます。石段のきつさは、眺めのためにがまんするものというだけでなく、ここに来た理由の一つにもなっています。

金属の手すりがついた石段と、脇の苔むした岩肌。小さな石のお地蔵さま(一体は赤いよだれかけ姿)、岩に刻まれた彫り物、屋根のついた小さな木の札、背の高い杉の幹
奥之院へ向かう石段の途中、岩壁に並ぶお地蔵さまと彫り物Photo by 663highland / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

行く前に知っておきたいこと

1,015段という数字は、お寺自身が数えた石段の数です。誰かに聞かれたわけでもないのに、口コミにこの数字を書く人がいます。じゃらんに口コミを書いた一人は、「1015段の階段に一瞬躊躇しますが…段差が低く、手すりもあるので、何とか上がることが出来ました。」と書いています。JNTO(日本政府観光局)によると、ふつうのペースで歩けば上まで30〜40分ほどです。お寺の案内では全行程が石段で、往復には約1時間30分かかります。

山寺は、860年に天台宗の第三代座主である慈覚大師円仁が開いたお寺です。麓にある本堂の根本中堂はブナ材で建てられていて、ブナの建物としては日本でいちばん古いとされ、国の重要文化財に指定されています。堂内には「不滅の法灯」がともっています。開山のときに総本山である比叡山延暦寺から分けられた火で、それ以来燃え続けていると伝えられています。

1689年には、松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅の途中でここを訪れ、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句を詠みました。山門から仁王門へ向かう途中には、この句をしたためた短冊を納めたせみ塚があり、根本中堂の近くには芭蕉と弟子の曾良の像が立っています。人の多い時間を外し、団体と団体のあいまに当たれば、杉の森は今も句のとおりに静かです。

山寺の有名な眺めは、山頂近くの断崖にせり出すように建つ五大堂から見たものです。眼下に立谷川の谷と、登り始めた麓の町が広がります。五大堂へは、開山堂の右手から分かれる脇道を入ります。石段のいちばん奥にある奥之院とは別の場所なので、それぞれに立ち寄ることになります。この脇道は見落としやすく、日本人の口コミにも、展望所への道が分からずに行けないまま帰ってきたという人がいました。1日の予定は、五大堂に立ち寄る時間を先に決めてから組むと安心です。

入山料は大人(中学生以上)500円、子ども(4歳以上)200円で、2025年4月に改定されました。支払いは現金のみで、石段の登り口にあたる山門の寺務所で納めます。山門より下の境内は、根本中堂も含めて入山料がかかりません。根本中堂の内陣で参拝するときは、別に200円が必要です。古い口コミに300円とあるのは、改定前の金額です。

五大堂の木の軒下から見た景色。森に覆われた立谷川の谷、眼下に広がる山寺の町、雪をかぶった遠くの尾根
五大堂から見下ろす谷と麓の町Photo by Raita Futo / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons

山寺の石段を気持ちよく登るための心得

自分のペースで登って大丈夫です。後ろから追い抜いていく人に合わせなくてかまいません。日本人の口コミには、登りより下りのほうが足にこたえたという声がいくつかあります。翌日の筋肉痛を下りのせいにしている人が2人、登りは平気だったのに下りきってから足が震えたという人も1人いました。靴はサンダルより、歩きやすい靴がおすすめです。石段はでこぼこしていて、季節によっては濡れていたり凍っていたりします。夏はとくに、水と小さなタオルを持っていくと助かります。頂上近くの最後の区間は開けていて日陰が少なく、暑くなります。

体力や時間に余裕がないときは、写真でよく見る眺めの五大堂を先に目指してください。奥之院はそこからもう少し先です。行くなら朝の早い時間、できれば平日が歩きやすいです。海外の旅行者の口コミでも日本人の口コミでも、せっかくの訪問を残念にしかねないものとして挙がっていたのは、石段よりも混雑でした。

季節でいうと、秋は紅葉の時期で、休日にはかなり混みます。春には桜が咲きます。冬は石段が凍るので、ふつうのスニーカーより、滑り止めのしっかりしたブーツが向いています。

石段では、ほかの登る人たちとも一緒になります。トリップアドバイザーの掲示板で質問に答えていたある旅行者は、よかったこととして、眺めと、登る人どうしで「頑張って」と声を掛け合うことを挙げていました。シュトゥットガルトから来た人は、「日本の人たちと一緒に登るのはいつも楽しい。外国人が加わるのを喜んでくれるから」とレビューに書いています。上までの30〜40分、同じ石段を日本の人たちと並んで登ることは、眺めて回るだけでなく、その場に加わることでもあります。

迷う理由もあります。石段を自分の足で登る大変さはなくなりませんし、当日の天気は行ってみるまで分かりません。海外の旅行者の声58件のうち5件はがっかりしていて、そのうち4件は雨か、来る前に思い描いていた姿とのずれが理由でした。一方で、860年からともり続けていると伝わる火があり、人の少ないときには芭蕉の句のとおりの静けさが今も残っています。海外の旅行者でも日本人でも大多数が行く価値があったと書いていて、登ること自体をその日の目的の一部として書く人もいます。


短い日程で、どこを優先するか迷っていたら、まずは日本で本当に大切なことから。東北の旅で、山寺とほかの行き先を比べるときの参考にもどうぞ。

出典

  • 宝珠山立石寺(山寺)公式サイト:トップページ・参拝案内:日本語のページ。石段は全部で1,015段。入山料は大人(中学生以上)500円(2025年4月改定・現金のみ・山門の寺務所で支払い)。根本中堂の内陣参拝は200円。参道とお堂(根本中堂、山門、せみ塚、仁王門、開山堂、五大堂、奥之院)。全行程が石段で往復約1時間30分。芭蕉像と曾良像。芭蕉の句。860年の円仁による開山と、延暦寺から分けられた法灯。1689年の芭蕉の来訪(2026年10月4日確認)
  • 日本政府観光局(JNTO):立石寺(山寺)の紹介ページ:英語のページ。860年の開山。根本中堂の「不滅の法灯」が開山以来燃え続けているとされること。ブナ材の根本中堂が同種の建物として日本最古とされること。芭蕉がここで句を詠んだこと。上までの登りはふつう30〜40分。五大堂へは開山堂の右手の道から行き、立谷川の谷を見下ろせること(2026年10月4日確認)

WMJSは日本人が英語で書き、AIの力を借りて日本語にしています。日本人の目で確かめていますが、翻訳の癖が残っている文があるかもしれません。気になる一文があれば教えてください。一文で十分です。

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