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The wooden entrance sign of Kuromon Market in Osaka, reading Kuromon Market in Japanese and English above the covered arcade entrance
日本の仕組み著者 Kei · 日本生まれ、日本育ち12 分で読める

黒門市場は行く価値ある? 海外と日本の旅行者の声から

黒門市場は、大阪・日本橋(にっぽんばし)にある全長およそ580メートルのアーケード商店街です。鮮魚や和牛、青果、お菓子などを扱う店が、およそ150軒並んでいます。もとは料理店の仕入れ客や近所の人が買い物に来る市場でしたが、2010年代の初めごろから、海外の旅行者が大勢訪れるようになりました。集めた口コミを読むと、海外の旅行者も日本人も、およそ4人に1人ががっかりして帰っています。ただ、がっかりした理由は、重なるところもあれば、違うところもあります。

読んだ口コミは、二つのグループに分かれます。海外の旅行者がTripAdvisorとRedditに書いたものと、日本人の旅行者(大阪の人も含みます)がじゃらんとTripAdvisorの日本語版に書いたものです。「行く価値はあったか」への答えを、グループごとに別の温度計にまとめました。

行った海外の旅行者の評価

食べ物が目当てなら、とくに行く価値あり
60%
悪くはないけれど、観光地化していて値段も高め
15%
高すぎる、またはわざわざ行くほどではない
25%
声の出どころ:黒門市場を実際に訪れ、TripAdvisorやRedditに感想を書いた海外の旅行者です。53件の声を集計しました。アンケート調査ではなく、実際の口コミを集めたものです。すでに訪れることを選んだ人たちの口コミなので、好意的な声はもともと多くなりがちです。また「行く価値があるか」を尋ねるスレッドには、まず懐疑的な人が集まりやすいので、この種の集計では懐疑的な声が多めに出ます。

行ってよかったという人は、およそ10人に6人です。ある旅行者によると、ここの神戸牛は、神戸のレストランで自分たちが払った値段の半分だったそうです。お寿司の評判がとてもいいと聞いて来たグループは、マグロとサーモンの刺身を「今まで食べた中でも最高レベルで、しかも値段も手ごろ」とほめ、「絶対また行く」と書いていました。築地には行ったことがなく、京都の錦市場は行く価値がなかったと感じた人も、黒門市場については「あそこに住みたいくらい」とまで書いています。

がっかりした人は、およそ4人に1人です。いちばん高くついたのは、メニューも値札もない店で一人で食べた人です。「最後に請求されたのは、一人で食べて48,100円。ウニ3個で24,000円!!」と書いています。ほかにも2人が、それぞれ店で嫌な思いをしたことを書いています。一人は、A5の和牛のはずが「等級の低い牛肉の、いちばん小さな串を2,000円で」買わされ、店の人は取り替えを断ったそうです。もう一人は「ウニ2個、ホタテ6個、ビール1杯とコーラ1本で19,900円払った」という人で、「信じられないほどのぼったくり」と書いて、味もたいしたことはなかったと付け加えています。残りの10人の不満は、旅行でよく聞く種類のものです。観光地化しすぎている、ほかの場所より高い、ほかで見た市場ほどおもしろくない、といった声でした。混みすぎていたという人もいれば、閑散としていて、5年前に来たときより開いている店が少なかったという人もいます。

日本人の旅行者は黒門市場をどう見ているか

日本人の旅行者の口コミは136件集まりました。大阪に住んでいる、または以前住んでいたと書いている人も、そのうち10人ほどいます。

行ってよかった、食べ歩きが楽しい
46%
混雑や値段、昔との違いに複雑な思いもある
28%
値段や混雑、変わってしまったことにがっかりした
26%
声の出どころ:黒門市場を訪れた日本人の旅行者や大阪の人が、じゃらんやTripAdvisorに書いた声です。136件を集計しました。アンケート調査ではなく、実際の口コミを集めたものです。すでに訪れることを選んだ人たちの口コミなので、好意的な声はもともと多くなりがちです。

赤いバーに入った35件のうち19件は、行ったときの体験への不満です。海外の旅行者の不満とよく似ていて、値段が高く感じた、混んでいた、食べ物にそそられなかった、もうシャッターが下りていた、といった声が並びます。客引きに見せられた格安のメニューにつられて店に入ったら、会計が見込みの倍以上になっていたという夫婦もいました。4件はコロナ禍の時期に書かれたもので、通りが閑散としていた、ほとんど人がいなかったという内容です。残りの12件は今の市場を昔の黒門市場と比べていて、そのうち9件は、昔の市場を自分で知っている人の声です。なかでも3人は、どう変わったかをくわしく書いています。

大阪市のある人は、こう書いています。「昔から近所に住んでて黒門で毎日買い物してましたけど、もう二度と買い物しない。観光地になってから地元民は黒門では買い物しない。ぼったくりすぎ。あと、人多すぎて危険。」

「大阪人」を名乗る別の人は、以前はよく通っていたそうです。ところが観光客が多く訪れるようになってから値段が上がり、忙しいせいか店員も何となく無愛想に感じるようになって、足が遠のいたといいます。「あの忙しい頃の無愛想なイメージが払拭されない限り行く気にはならないです。昔の黒門市場は良かった」

3人目の人によると、黒門市場は昔、大阪の台所として地元の商売人やご近所さんに愛されていましたが、今は観光客専用の商店街に変わり、価格や品揃えも観光客向けになりました。そのことを「なんだかさびしい限りです」と書いています。地元向けに良いものを安く出そうと頑張っている店もまだあるけれど、店先の屋台の大半で売っているものを見る限り、地元の人の足は遠のくばかりだ、とも書き添えています。

この変化がなぜ起きたのかについては、いくつかの見方があります。Redditにコメントを書いたある人によると、20年前の黒門市場は「まだ観光客目当ての場所ではなかった」そうで、主に地元の客を相手にした店が繁盛していました。店主が亡くなると、家族は店を続けずに、その場所を貸したり売ったりしたといいます。そうして「市場全体が少しずつ観光客目当ての場所になっていった」というのが、この人の説明です。2023年12月には、集英社オンラインが取材した旅行業界関係者が、別の原因を挙げています。「もともと黒門市場は『ある程度高いけど、質のいいモノが手に入る』という安心感があった。しかしインバウンドの影響で、……『観光地価格』に値上げする店が増えていき、地元の常連客が離れていった。」

同じ記事で、黒門市場で長年鮮魚店を営む男性は、もう少し前向きな見方をしています。ネットで「ぼったくり商店街」と呼ばれて炎上したことについて、こう話しています。「それはここで働く人たちも気にしていて、今は全体的に値段は下がったね。これまではインバウンド価格でやってましたけど、今は地元の人に買ってもらえるように良心的な価格で商売する店も増えましたね。ある店舗は、毎日16時のタイムセールで値引きしてますし、リピーター客に一品サービスしている店もあります。」その12月に記者が市場を歩いてみると、7月の記事では4足30,000円だったタラバガニが、同じ4足で15,000〜19,000円に下がっていました。ただ、高い値段のままの店もありました。

それから1年近くたった2024年11月には、市場の商店街振興組合が、講談社のニュースサイト「マネー現代」の取材に実名で応じています。組合の理事長は、昔の市場をこう振り返っています。「40年ぐらい前ですが、当時の料理屋は、みんな住み込みで働いていたんで、彼らのまかないも、料理屋のお手伝いさんが買いに来てくれていたんです。それですごくにぎわっていて、……半分は業者で、半分は地元の人、という感じでした。」

組合の人たちの話では、その後、料理屋は少しずつ姿を消し、近くには大きな商業ビルが建ちました。住み込みで働く習慣もすたれ、周辺の人口も減って、商店街はすでに衰えはじめていたそうです。2011年の東日本大震災のあとは、半年ほど通りにほとんど人が来ませんでした。最初に戻ってきたのは、海外からの客だったといいます。シャッター街になってもおかしくなかった市場が持ち直したのは、この海外からの客のおかげだ、というのが組合の人たちの見方です。

マネー現代によると、市場周辺の地価はここ数年で大きく上がっていて、組合の事務長は店への影響をこう話しています。「それぞれの店もある程度高い値段を付けないとやっていけないんです。」

黒門市場のアーケードの長い木の屋根と天窓を見上げたところ。店の垂れ幕と提灯が下がっている
2024年の黒門市場のアーケードPhoto by ほっきー / CC0 / Wikimedia Commons

行った人が楽しんでいること

好意的な口コミの多くは、食べ物の話です。海外の旅行者では32件のうち26件、日本人では63件のうち47件が食べ物に触れています。海外のある旅行者は、神戸牛と和牛を「絶品だった」とほめています。日本人の口コミには、通りを歩くだけで楽しかったという人が2人いました。一人は神戸牛の串焼き、フグ、マグロ、寿司、フルーツなどが並んでいたと書き、もう一人は、立ち食いできる鮮魚やフグを見つけています。市場の公式サイトでは、夏の名物として鱧(はも)、冬の名物としてフグが紹介されています。昼食のあとに来たという日本人は、並んでいるものがどれもおいしそうで安く、つい食べ歩きをしてしまったそうです。この人が特に挙げているのは、夕方ごろに半額以下に値引きされるお寿司でした。

ふだんの買い物をする店について書いた日本人も、2人います。一人は、八百屋さんやお肉屋さん、魚屋さんのほかに、お菓子屋さんやスーパー形式の店があることにも目をとめています。もう一人は、食べ歩き用の焼き物にはあまりそそられなかったものの、市場の中のスーパーをのぞいて、関東では珍しい食材をつい買ってしまったといいます。

黒門市場を気持ちよく楽しむための心得

朝のうちから通りが混んでいたと書いた日本人は6人いますが、祝日の朝に訪れて、人出は少なかったという人もいました。午後3時ごろに来た海外の旅行者は、「混みすぎてはいなかった」と書いています。夕方や夜に訪れた日本人3人は、多くの店がもう閉まっていたと書き、もう一人も、夕方の閉店が意外と早いことに触れています。市場の公式サイトに載っている各店の営業時間を見ると、ほとんどの店が午後2時半から6時のあいだに閉まるので、いちばん多くの店が開いているのは昼間です。

値切るかどうかについては、意見が分かれています。40年以上前、学生時代にここでアルバイトをしていたという日本人は、店の人の気分しだいで少し負けてくれることがあると書き、初めての人にも「負けて」と言ってみるようすすめています。一方、値段が表示されているので値切る必要はないと感じた海外の旅行者もいます。

先ほどの48,100円の店では、注文の時点で値段がどこにも出ていませんでした。特に1個単位で売る海鮮の店では、注文する前に看板や札で値段を確かめておくと安心です。値切る必要はないと感じた海外の旅行者は、値段がはっきり表示されていたので、黒門市場での買い物は「わかりやすく、ストレスがない」と書いています。次の写真(2017年撮影)に写っているような、印刷された値札を目印にするといいでしょう。

黒門市場の海鮮の店。焼いたうなぎや串焼き、卵焼きが並び、横に「¥500」「¥800」と印刷された値札が置かれている
アーケード内の串焼きの店と、印刷された値札(2017年撮影)Photo by Choi2451 / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

行くかどうか迷ったら

海外の旅行者では、およそ10人に6人が黒門市場は行く価値があったと書いています。がっかりした側でいちばん高くついた会計は、値段を表示していない店でのものでした。同じ通りについて、日本人の見方はもう少し辛口です。楽しめたという人は半分弱で、不満の多くは値段と混雑についてでした。赤いバーの35件のうち12件は今の市場を昔の黒門市場と比べていて、そのうち9件は自分の記憶をもとにしています。地元の人が買い物をしているのを見たという日本人は3人いましたが、地元の買い物客が少ないと書いたり、自分自身が行かなくなったと書いたりした人は8人いました。お腹を空かせて行くのがいちばん、という趣旨のことを書いた人は、日本人と海外の旅行者を合わせて4人います。


短い日程で、どこを優先するか迷っていたら、まずは日本で本当に大切なことから。京都の錦市場も候補に入っているなら、錦市場は行く価値ある?で、同じように海外と日本の旅行者の声を集めています。

出典

この記事で紹介した声は、海外の旅行者(TripAdvisor、Reddit)と日本人の旅行者(じゃらん、TripAdvisor日本語版)が公開した口コミや投稿から、2026年9月に集めたものです。日本人の声は原文の日本語のまま引用し、海外の声は日本語に訳して紹介しています。温度計の割合は、集めた声のうち集計に使えるものをすべて数えた結果です。実際の声をまとめたもので、アンケート調査ではありません。

WMJSは日本人が英語で書き、AIの力を借りて日本語にしています。日本人の目で確かめていますが、翻訳の癖が残っている文があるかもしれません。気になる一文があれば教えてください。一文で十分です。

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