Skip to content
WMJS
The red torii gate of Hakone Shrine rising from Lake Ashinoko under a partly clouded sky, framed by bare branches
日本の仕組み著者 Kei · 日本生まれ、日本育ち更新 10 分で読める

箱根は行く価値ある? がっかりした人と、日本人旅行者の回り方はどこが違ったのか

きっと、あの絵はがきのような風景を目にしたことがあるでしょう。静かな湖に立つ赤い鳥居、その後ろに浮かぶ富士山、山から立ちのぼる湯けむり。だから、東京から気軽に行けるゆったりした日帰り先として箱根を予定に入れます。ところが別の口コミを読むと(「観光地化されすぎ」「一日中ただ並んでいただけ」「富士山すら見えなかった」)、もしかして予約を間違えたのかな、と不安になってしまう。

先に答えを書きます。回り方、時期、そして火山の三つで決まります。箱根は、回り方と時期で印象がまるで変わる場所です。がっかりした人のほとんどが出会ったのは、みんなと同じ混雑、同じ雲に隠れた富士山でした。行き当たったのは、特別ひどい箱根ではありません。素晴らしい一日と、もったいない一日を分けたのは、回り方そのものでした。

行く価値はある?(訪れた人自身の言葉で)

実際に箱根を訪れた海外旅行者の声を集め、いわば「行ってよかった?」と尋ねてみました。それぞれの意見が他の読者にどれだけ強く響いたかで重みづけすると、こんなふうに分かれました。

行く価値あり。のんびり回る一日、温泉、静けさが一番の思い出
59%
どう回るか、いつ行くか次第
26%
がっかり。観光地化されすぎで、移動だけの一日
15%
声の出どころ:箱根を実際に訪れ、Redditに感想を書いた海外の旅行者です。186件の声を、共感の多さで重みづけして集計しました。アンケートというより、実際の口コミを集めたものです。反応数が表示されていない声は1件として数えています。

赤と灰色を並べて見ると、分かれ目がはっきりします。がっかりしたという人たちの一日は、驚くほど似ています。ある人はこう書きました。「いろんな乗り物を乗り継いで、一日中ただ移動して並んでいただけのような感じだった」。「いちばんがっかりした一日だった」。別の人は、もっと率直です。「箱根はおすすめできない。楽しむには観光地化されすぎている」。「湖がきれいでなかった」「温泉がよくなかった」という不満はほとんどありません。語られているのは、最終列車に間に合うよう乗り継ぎを駆け足で追いかける、慌ただしく混み合った日帰り、そして多くの場合、最後まで雲が取れなかった富士山のことです。

では、そのすぐ上の灰色の帯(「行き方次第」と答えた26%)を読んでみましょう。最も支持された声は、ほとんど手引きのようです。「みんな、ここがリゾート地だって分かっていないんだ。いい旅館を予約して、そこを拠点にする。それからロープウェイ、街、彫刻の森美術館を、自分のゆっくりしたペースで巡る。そして早めに出かける。この場所のこういうところが本当に気に入った」。緑の側はどうか。箱根が好きだという人は、同じ二つを何度も挙げます。時間とタイミングです。「箱根は、群を抜いて一番の思い出のひとつだった」とある人は書きました。「1月の初めに行ったら、空いていた。穏やかで、静かで、心が落ち着いた」。別の人は、「ロープウェイからの眺め、湖を下る船、箱根神社、そこにたどり着くまでの苦労を全部含めても、100%行く価値があった」。

同じ周遊路を、日本人旅行者はどう感じているか

ここからは、同じ湖、谷、遊覧船について、日本人旅行者が自身の口コミで何を語っているかを見てみましょう。

また来たい。のんびり回ることと湯につかること自体が目的
64%
時と場合による:天気、混雑、タイミング
31%
正直しんどかった日(運の悪い日、人混み)
5%
声の出どころ:箱根を訪れた日本人の旅行者や地元の人が、口コミサイトに書いた声です。60件を、共感の多さで重みづけして集計しました。アンケートというより、実際の口コミを集めたものです。反応数が表示されていない声は1件として数えています。

一番目を引く数字が、この赤いバーです。海外旅行者の15%に対して、5%です。 がっかりして帰った日本人旅行者は、海外旅行者の3分の1の割合です。理由は、より良い箱根に当たったからではありません。灰色の帯を読むと、海外旅行者をがっかりさせたのとまったく同じ条件で埋め尽くされています。けれど、それへの反応がまるで違うのです。

「天気が悪く全く富士山が見えず残念でした」とある人は書き、そのすぐあとに「とりあえず黒卵は美味しかったです」と付け加えます。別の人は、「ロープウェイに乗りましたが、駿河湾が綺麗でした。…富士山は、見えませんでした。次回、期待します」。三人目は、湖で霧に包まれて、「霧がでていて富士山は見れませんでしたが、霧のなかに海賊船が見え幻想的でした」。富士山が見えないのは同じです。それでも一日は台無しになっていません。日本人の旅行者は、富士山の写真を「もらえて当然」とは思わず、ゆっくり巡る周遊と、湯につかることのために来ます。だから曇り空も、水面に漂う幻想的な霧に変わるだけです。そして眺めを当てにして計画するときには、ちゃんとそう言います。「車で行くなら、芦ノ湖周辺にある芦ノ湖スカイラインに行ってください!富士山が間近で素晴らし過ぎます!!」

日本人の口コミは、周遊そのものを楽しんだと書いています。「小田急3日間乗り放題チケットでロープウェイと海賊船に乗りまくった」とある人は書きました。「サイコーの三日間だった。また行きたい」。何度も訪れている別の人は、「何度も箱根に行っていますが、必ず芦ノ湖に行って海賊船に乗りたくなります。ゆったりと流れる時間がとても心地よいプチ船旅と言ったところでしょうか」。

芦ノ湖の岸から。厚い雲の下、両岸に森の山を見ながら灰色の湖面を渡る観光海賊船。
行くたびにまた乗りたくなる、と日本人の口コミが書く船。雲の下、芦ノ湖を渡る海賊船Photo by Joli Rumi / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

行く前に知っておきたい三つのこと

箱根は「名所」ではなく「リゾート」です。 これが、がっかりの大半の根っこにある、たった一つの読み違いです。ここさえ見れば終わり、というお寺も塔も展望台もありません。この地域全体が、のんびり一周する作りになっています。小さな赤い登山電車、ケーブルカー、谷を渡るロープウェイ、湖の船。回った先にあるのが温泉です。終電までに回りきるチェックリストにしてしまうと、乗り継ぎと行列だけで一日が終わります。周遊そのものを一日と考えれば、同じ乗り継ぎが車窓の景色に変わります。

富士山が雲に隠れているのは、運の悪い例外ではなく、普通のことです。 富士山は一年の多くを雲に隠れていて、暖かい季節ほど見えにくくなります。山全体を見られる確率がもっとも高いのは、晩秋から冬にかけての、冷えて乾いた朝。富士山が見えることを前提に旅程を組む人ほど、天気で落胆します。多くの日本人がそうするように、晴れた富士山をおまけと考えておけば、どちらに転んでも一日は楽しめます。

谷は本当に生きていて、しっかりと管理されています。 大涌谷は活発な火山の噴気口で、火山ガスが濃い日や風が強い日には、その上を渡るロープウェイが、数時間から一日、運休になります。そして代わりに代行バスが走ります。これは気象庁の噴火警戒レベルに沿った運用で、運行会社が毎日の状況を公表しています。不意に襲ってくる災害というより、人が暮らしながら付き合っている現役の山です。いちばんよい習慣は、出かける朝に公式の運行状況を確認すること、そして周遊路の予定をゆるく持っておくことです。

大涌谷のむき出しの火山斜面のあちこちから白い噴気が上がり、谷の上にロープウェイの索が張られ、右手には石積みの段が見える
上から見た大涌谷。ロープウェイのワイヤーの下で噴気が上がり、斜面は管理されているPhoto by Ka23 13 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

喜ばれる周遊路の回り方

ここまでの話は、結局いくつかのコツに行き着きます。がっかりした人が飛ばし、満足した人が必ず挙げるものです。

  • できるなら一泊しましょう。 どの口コミ集を見ても、いちばんはっきりした分かれ目は、日帰りか宿泊かです。温泉のある旅館に泊まると、乗り物をひたすら乗り継ぐ一日が、本来の箱根に戻ります。夕方に湯につかり、眠り、夜明けにまた湯につかる。一日しかなくても大丈夫。ただ、その一日を、レースというより、ゆっくり巡る周遊として計画してください。(日本のお風呂は初めて? 入浴客が実は何を思っているか、そして旅館での一泊が実際どんなものかをどうぞ。)
  • 周遊路まるごとの切符を一枚買いましょう。 小田急の箱根フリーパスは、八つの区間すべて(山岳鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、観光バス、芦ノ湖の海賊船)に一枚で乗り放題です(新宿から2日間で約¥7,100、3日間で¥7,500)。区間ごとの切符の列も、乗り継ぎのたびに運賃を計算する手間もありません。追い立てられる一日と、流れるように進む一日の差はここです。
  • 早朝に、できれば平日に行きましょう。 「全然混んでいなかった」という声には共通点があります。平日か、閑散期か、その日の始発のロープウェイです。「私が行ったときは人混みがなかった。季節と時間帯次第だね」と、ある人は言いました。とりわけ湖上の鳥居は、午前なかばには写真待ちの長い列ができますが、開門直後はほとんど人がいません。
  • 天気予報というより、周遊路を基準に一日を組みましょう。 大涌谷の頂上の温泉で真っ黒に茹でられた黒たまご。水面からまっすぐ立ちのぼる箱根神社の赤い鳥居。曇りの日でも行ってよかったという声が多い彫刻の森美術館。これらを軸に組み立てれば、富士山が見えなくても一日は十分に楽しめます。
  • 当日の朝、ロープウェイと谷の運行状況を確認しましょう。 一区間が運休していても、代行バスがちゃんと周遊路を一周してくれます。そして、出かける前に知っておくこと、それがコツのすべてです。

これだけで、一日は15%というより59%側になります。がっかりは、もともと箱根が過大評価だったからではありませんでした。名所と、必ず見える山を期待して来たのに、実際にはのんびりしたリゾートと現役の火山だった、というだけです。周遊と湯につかるために来れば、箱根は「やる」場所から、心を休めに来る場所へと変わるのです。

では、箱根に行く価値はある? 現れるかどうか分からない富士山を追って、慌ただしく混み合った一日を過ごすなら、正直に「ない」と言う人はたくさんいます。一泊して、一枚の切符で周遊路をまるごと回り、早めに出かけ、曇りの日をそれ自体の美しさとして味わってください。そうすれば、多くの日本人旅行者や、ここまで紹介した人たちの多くと同じように、帰ってこられるはずです。肩の力が抜けて、もう次に来ることを考えながら。

この先、海沿いへ足を延ばすなら、熱海は行く価値があるかもどうぞ。城が主役ではなく、海の眺めと温泉、そして城の地下の無料ゲームセンターが主役の町です。


短い日程で、どこを優先するか迷っていたら、まずは日本で本当に大切なことから。そして、鉄道、ロープウェイ、湖、湯という、ゆっくり巡る周遊路まるごとを、その背後にある昔ながらの温泉「湯治」とともに味わうなら、箱根の音声ガイドがすぐ下にあります。

出典

WMJSは日本人が英語で書き、AIの力を借りて日本語にしています。日本人の目で確かめていますが、翻訳の癖が残っている文があるかもしれません。気になる一文があれば教えてください。一文で十分です。

日本をどれだけ知っていますか?

51,218人以上の日本人の声に基づくクイズ

クイズに挑戦

もっと知りたい?日本人に聞いてみよう

この記事についてもっと聞きたいことがありますか?日本人に聞いてみます。

Voice Box →